完成まで3年、至極のゴルゴンゾーラチーズケーキ|ここでしか作れない唯一無二のレシピ誕生に迫る

完成まで3年、至極のゴルゴンゾーラチーズ...

東京・西葛西にある老舗洋菓子店『パティスリー ル ラピュタ』が手がけた、お取り寄せチーズケーキ専門店『Le laputa tokyo(ル ラピュタ東京)』

数あるチーズケーキの中でも人気なのが、他にはないレシピで作り上げたゴルゴンゾーラチーズケーキです。そのゴルゴンゾーラチーズケーキが誕生するまでには、レシピを少しずつ変えながら様々な苦労があり、200回を超える試作を続けた末に誕生した唯一無二の逸品です。

この記事では、シェフが今までお話したことがない『ゴルゴンゾーラチーズケーキの誕生までの開発秘話』について、当店のマネージャーである筆者がお伝えします。

3年かけてレシピを探り、やっとの想いで完成したゴルゴンゾーラチーズケーキ。こだわりのレシピを考案したシェフについてもご紹介しますので最後までご覧ください。

ゴルゴンゾーラチーズケーキの生みの親、河田 昭夫

ゴルゴンゾーラチーズケーキの生みの親、河田 昭夫

パティスリー ル ラピュタ 兼 Le laputa tokyoのオーナーシェフ
河田 昭夫(かわた あきお)

1964年 東京生まれ
日本チーズアートフロマジェ協会(CAFAJ)認定フロマジェ(チーズソムリエ)

東京・西葛西にある老舗洋菓子店『パティスリー ル ラピュタ』。
そのオーナーシェフである河田昭夫が、お取り寄せチーズケーキ専門店『Le laputa tokyo(ル ラピュタ東京)』を手がけました。

Le laputa tokyoでは、青カビやハードタイプのチーズなど、洋菓子屋らしからぬ個性的なチーズをふんだんに使ったチーズケーキを取り揃え、新しい味、当店だけの味というオンリーワンの商品を生み出しています。

▼Le laputa tokyo(ル ラピュタ東京)について詳しくはこちら

チーズと出会ったきっかけ

料理人として経験を重ね、デザート・洋菓子の世界へ転身。
パティシエ時代にチーズレシピ考案を命じられたことがきっかけとなり、素材としてチーズに興味を持ち、次々とチーズを使ったスイーツを考案しました。

数多いチーズの中でも特にゴルゴンゾーラの深い魅力と難しさに惹かれ、ゴルゴンゾーラチーズケーキを制作しようと思ったきっかけにもなりました。

シェフが今までに考案したチーズケーキのメニューは300種類以上

シェフが今までに考案したチーズケーキのメニューは300種類以上
シェフの紹介にもあった通り、シェフは今までにチーズを使ったスイーツを次々と考案してきました。
現在販売している『東京フロマージュ』や『バスクフロマージュ』なども含め、考案したメニューを一部紹介します。

ロックフォールペッパー、グリュイエールアプリコット、パルミジャーノメープル、クルミゴーダ、カマンベール、リコッタピンクペッパー、コンテヘーゼル、ゴルゴンゾーラバジル等

これらを含め、試作した商品はなんと300種類以上!
様々なレシピを考案し、その中で商品化したケーキは約200種類を超えます

チーズケーキ試作で使用した、数えきれないほどのチーズの種類

数えきれないほどあるチーズの中から、シェフが試作で使用したチーズは様々です。

■白カビ系
フランス/ブリドモー、ヌーシャテル、シャウルス、シュプレム、サンタンドレ、バラカ等

■シェーブル系(山羊乳)
フランス/ヴァランセ、サントモール ド トゥーレーヌ、シャビシュー デュ ポワトー、セル シュール シェール等

■ウォッシュ系
フランス/マンステール、エポワス、ラングル、モンドール、ショーム等
イタリア/タレッジョ、サルヴァ クレマスコ等

■ハード系
フランス/コンテ、ボーフォール、ミモノレット等
イタリア/パルミジャー レッジャーノ、ピアーヴェ、ペコリーノ ロマーノ等
スイス/グリュイエール、エメンタール等
オランダ/ゴーダ、エダム等

■フレッシュ系
イタリア/モッツァレラ、リコッタ、マスカルポーネ等

香りや味に癖のあるチーズからハードタイプまで、色々なタイプのチーズを使ったり、種類は同じでも産地の異なるチーズも使い試作しました。

日本に輸入されているチーズの中でも有名なチーズを使っていますが、それでも一般的にはマニアックと思われるかもしれませんね。
そんなマニアックなチーズを使いこなすシェフは「チーズおたく」とも呼ばれるくらいチーズ好きなんです。

ゴルゴンゾーラチーズケーキ誕生までにレシピを探りながら200回以上の試作

ゴルゴンゾーラチーズケーキ誕生までにレシピを探りながら200回以上の試作
ゴルゴンゾーラチーズケーキが誕生するまでにシェフが意識したことや苦労をお話します。

試作をするときに気を付けていたこと

チーズを活かすために4つのことに意識して試作しました。

1、味の引き出し方。足したり引いたりして、素材の個性を活かす。
2、1回の試作で10品(多くて20品)作り、その中で一つ決めたらさらに微調整する。
3、常温と冷蔵など温度変化を与えチーズに負荷をかける。どう味わいに変化があるかも同時に調査する。
4、煮詰まったら他のチーズを触ってみる。それによってゴルゴンゾーラの良さや特徴が掴めてくる。

ビビッとこない時は、何個試食しても「これじゃない」と試作は続けられます。
「これだ!」と思う時がいつ訪れるのか分からない中、諦めず試作を続けました。

試作中で印象的だったのは“乳の味”

同じゴルゴンゾーラでも、メーカーによって味や見た目が違います。それは、使うチーズの乳の違いにもよります。
ここでは、その「乳の味」についてシェフが試作しながら感じたことをお話します。

・牛自体の生育環境やエサが季節によって違うため、その先の乳の味も若干違ったり、チーズを製造する時期でも違いがある
・6~7月の柔らかい若草をエサとした牛の乳は、味わいが芳醇
・枯草をエサとした牛の乳は、ナッツのような味わい
・色々な農場(エサの種類や与え方、育て方が違う)の乳が集まっているので、さらに乳の味が分かりづらいが、逆にハード系はその違いが分かりやすい

このようなことを意識しながらレシピを考案することは非常に難しく、チーズの見極めができるシェフ1人にしかできません

遂に完成!特別なレシピで作り上げた濃厚な絶品ゴルゴンゾーラチーズケーキ

遂に完成!特別なレシピで作り上げた濃厚な絶品ゴルゴンゾーラチーズケーキ
200回以上の試作、苦労を重ね3年かけてようやく完成したゴルゴンゾーラチーズケーキ。
ここでは、完成の決め手や変化するレシピについてお伝えします。

「この味だ!」と確信を持った決め手

確信を持った決め手は、食べた時の「味」「食感」「舌触り」「余韻」のバランスが良いこと。
「余韻」とは、食べた時に後から鼻を抜けていき、味わいが口の中に良い状態で残ることを表現しています。例を挙げるとワインに近い感覚でしょうか。

ただ、完成した時点でゴルゴンゾーラチーズケーキの完成度は90%で、20年経った今でもまだ92%だとシェフは言います。何十年経ってもシェフの挑戦は終わらないのかもしれません。

熟成チーズの状態に合わせ、変化し続けるレシピ

毎回、空輸で届くゴルゴンゾーラは、塩味や硬さ、熟成具合が違います。入荷した時のメーカーや産地によってもチーズの味が違うので見極めが難しくなります。

そのチーズの状態を見極め、レシピを毎回微妙に調整し同じ味のゴルゴンゾーラチーズケーキにできるのがプロの技。レシピがあってないという状態でも、毎回変わらない味の濃厚なゴルゴンゾーラチーズケーキを作り上げています。

チーズ好きのシェフの想い

チーズ好きのシェフの想い
シェフは、「ゴルゴンゾーラはクリームチーズなどより難しく奥深いので、本当に苦労の連続だった。だからこそ、ゴルゴンゾーラを扱うことは楽しい。」と言います。
苦労の末にゴルゴンゾーラチーズケーキが完成した時の喜びは、普通のケーキ以上だったのは言うまでもありません。
今後も商品化したいケーキがいくつかあり、現在進行形でチーズケーキメニューの考案が続いています。
「チーズは奥深く面白い」、シェフのチーズに対する情熱は永遠に続くことでしょう
Le laputa tokyo(ル ラピュタ東京)
多くのみなさまに当店のゴルゴンゾーラチーズケーキを召し上がっていただき、笑顔になっていただけたら、スタッフ一同嬉しく思います。